2012/06/30

ビクトリアンハウス in London

ロンドンの観光といえば美術館・博物館は外せませんね。
大英帝国時代にコレクションされた美術品の数、半端ないです。

先日、それとは逆のマイナー観光でビクトリア時代の面影を残す邸宅3軒を訪れました。
どれも住宅街にひっそりと佇んでいます。
セキュリティの関係上、建物内の写真はNGだったので残念ながら外観だけの写真です。


リンリー・サンボーンハウスLinley Sambourne House
ここケンジントン地区が開発されたのは19世紀後半、現在はロンドンでも有数の高級住宅地。
素敵なテラスハウスが並んでいます。
正面のドアは常時閉まっています。
右手半地下にあるドアベルを鳴らしてくださいね

サンボーンハウスはビクトリア時代の中流家庭の家が見事に保存された、
地下1階地上4階の典型的なジョージアンスタイルのテラスハウスのお宅。
開館は毎週水・土・日曜で予約制。
見学は10人程のグループにまとめて案内してくれます。
廊下が狭く、一部立ち入れられないようロープで仕切ってある部屋があるから多くの人が入れないみたいです。

まず、30分ほど映像を使った館内の歴史を視聴。
その後、年配の女性スタッフが各部屋を案内し、誰の部屋だったのかとか家具調度品について細かく丁寧に説明してくれます。
あまりの情報の多さ、メモも取れませんでした。。

当時のオーナー、エドワード・リンリー・サンボーンのお気に入りだったウィリアム・モリスの壁紙がすべての部屋に使われ、18~19世紀頃のフレンチを中心にコレクションされたアンティーク家具や小物等が所狭しと置いてあります。 
裏手に面している窓がステンドグラスなんですが、その理由は隣接する建物だけの景色を見えなくして、外からの明かりを部屋に入れるためだそうです。
建物の規模は小さいながらもサンボーン氏の思い入れがとても感じられるお宅でした。

ツアー開始時に「階段の上り下りで体が熱くなりますよ」とスタッフの方の言葉通り、
1時間半後には汗がじわじわ。結構動き回っていたみたいです。



レイトンハウスLeighton House
サンボーンハウスから徒歩5分ほどの距離。
(この2軒をハシゴ見学する人が多いようです。)

ここも大きなサインはなし。ブループラーク(注1)には
"Lord LEIGHTON 1830-1896 Painter lived and died here"
「レイトン卿 1830-1896年 画家 ここに居住し死去」と書いてあります。

19世紀の画家、フレデリック・レイトン卿の自宅兼アトリエ。
当時は来客用とモデル用の入口が別々に設けられていたそうです。

外観はいたって地味なのに建物の中は豪華絢爛!裕福な家庭に育った彼は、受け継いだ遺産を家につぎ込んだのでしょうか。古代イタリア、17世紀の中東、アジア・・世界の様々なインテリア様式が取り入れられていますが、全体的にオリエンタルな感じでまとまっています。
1階から2階(といっても高さ的には3階)にドーム型天井の吹き抜けがあり、噴水の音が青く輝くモザイクタイルのホールに響いていて癒しの空間を創り出しています。
ソファーに横になったらすぐ寝そうです。
他の部屋も天井が高くて広々としたドローイングルーム、リビングルーム、ダイニングルームあり。
アトリエも兼ねていたからとしても、一人暮らしには広すぎです。

バックヤードは広い芝生を囲むように大きな木がたくさんありましたが外に出ることができず、窓越しに外を眺めていたら隣の家の庭が見えました。ちらっとだったんですが、インテリア本に出てくるような豪華な庭~!
思わずため息。。
ホランドパークに近いし、ロンドンに住むならこのエリアいいなー。住めたら、の話。



カーライル・ハウスCarlyle's House (ナショナルトラスト所有)
ショッピングで有名なKing's Road近く。通りを一本入れば閑静なジョージアンスタイルのテラスハウスが立ち並ぶエリアです。

ここもベルを押すとドアを開けてくれます
19世紀のビクトリア時代に歴史学者、哲学者として名を残したトーマス・カーライル。
文豪ディケンズやダーウィンをはじめ、多くの著名人と交友関係がありました。

建物内は壁、床、階段すべてダークブラウンの色調でとても質素な印象。
展示してある家具はビクトリア時代のものですが、豪華な感じはありません。
最上階の屋根裏部屋はカーライルの書斎で、当時のままのデスク、筆記具などが展示してありました。

イギリス留学中だった夏目漱石もここの見学に訪れたそうで、見学者が日本人だと分かるとスタッフの方が彼の来館時の資料を見せてくれます。その中に千円札が入っていました。ちょっと懐かしかったです。

静かなバックヤード。しばし日向ぼっこ。



小さな資料館に行くとほかの資料館のパンフレットが置いてあるんですが、
これをたどればすごいボリュームになりそうです。
まだまだマイナー観光続きます!


(注1)ブループラークBlue Plaqueとは、イギリス国内の建物において過去の著名人がそこに居住、もしくは活動していたことを示す青いプレート。通常、建物の外壁にはめ込まれています。街を歩いていると結構目にします。


Linley Sambourne House (現在、清掃・保存作業中のため2012年9/8まで閉館)
18 Stafford Terrace, Kensington, London W8 7BH
Open from mid-September to mid-June.
Opening Times: Wednesdays 11.15am and 2.15pm, Saturdays and Sundays 11.15am
Addmission: Adult £8 Booking strongly advised.

Leighton House Museum 12 Holland Park Rd, London W14 8LZ
Opening Times: 10am to 5.30om daily, closed Tuesdays
Admission: Adult £5

Carlyle's House 24 Cheyne Row, Chelsea, London, SW3 5HL
Opening Times: 11am to 5pm Wed, Thu, Fri, Sat and Sun (5 March-30 October)
Open Bank Holiday Mondays 11am to 5pm
Admission: Adult £5.10

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