2015/03/10

東京洋館めぐり② -旧前田家本邸洋館-

昭和初期に建てられ、
当時「東洋一の邸宅」と言われた
旧前田家本邸。
加賀百万石、前田家の第16代当主、
前田利為侯爵の本邸として建てられました。
現在は駒場公園の一部になっています。
公園の門を抜け、大きな木々の間を奥へ進むと
見えてきました!

1929年(昭和4年)完成
イギリスのカントリーハウスのような外観

平成25年に国の重要文化財(建築物)に指定された
貴重な建物!!
テンション上がります。

立派なドア

仕事柄、こういうところも気になります

ロンドン駐在武官として長くイギリスに駐在していたからか、
邸宅はイギリスのチューダー様式を取り入れたデザイン。
天井の梁などもその特徴のひとつ。

鳩山邸同様、鉄筋コンクリート造で
地上2階建て、地下1階
施工は竹中工務店の初代社長、竹中藤右衛門。
この縁から、近年の修復工事は同社に依頼しているそうです。

こんな立派な邸宅なのですが、
一家が実際使用していたのは10年ほどでした。
侯爵の戦死後、人手にわたり、
第二次世界大戦後は連合国司令官の官邸として接収されたそうです。


玄関を入ると、ちょうど館内ガイドが始まるとのこと。
なんてラッキーなタイミング!
ボランティアのガイドさんは、当時の写真などを見せながら
わかりやすく説明してくれました。
ガイドの方がいるとこの建物に対する理解も深まります。
一家がどんな生活を送っていたのか、
想像しながら館内を見てまわりました。

1Fサロン、お茶できます♪
窓の面取りガラスから射す陽はキラキラしています

1F広間には贅沢なほど蛇紋岩が使用
上部の彫刻はアカンサスの葉で、ギリシャ神殿の柱にも用いられています
アカンサスは表面がつるつるした葉で、繁栄のシンボル


夫人専用の応接室
右手にあるのは暖炉ではなく飾りだそうです

いたるところに木彫刻
ここにもアカンサスのモチーフ

大食堂への入口

大食堂

窓の向こうは和館(耐震補強工事中)

立派な大階段!

階段下はちょっとした談話スペース
暖炉もステンドグラスもあってちょっとした部屋です

大階段の外壁窓は高さの違うステンドグラスが
3枚ずつ、3箇所あります

上から黄色のグラデーションになっています

階段と廊下の間には明り取りを兼ねた装飾的な透かし彫り

省エネだと思いますが、最小限の照明だったので写真が暗いです

書斎
実際使用されていた家具はテーブルなど数点のみ

暖炉じゃなくて全館スチーム暖房なのです!
地下のボイラー室で沸かしたお湯の蒸気を館内に循環させるシステム

ブルーグリーンのテラコッタタイル、いい味出てます

夫人室の暖房(大理石)

各居室はドアでつながっています
床の寄木細工が美しい

カットがとても難しかったと思います

主寝室
家具はすべてイギリスから取り寄せたもの


全体的に、様々な木種や石を贅沢に使った建物。
デザインを形にした職人さんたちの高い技術力にとても感心しました。

洋館南側から
周りでは子供たちが鬼ごっこ。階段で子供が横ばいになっています・・

昨夏より隣の和館は耐震補強工事のため休館中。
和館の工事完了後は洋館が休館になるとのこと!
気になる方はその前にぜひ行ってみてくださいね。

【旧前田家本邸】
開園時間:9:00-16:30(公園の閉園時間は16:30です)
休園日:月曜日・火曜日(ただし祝日の場合は開館)、年末年始 (12月29日から1月3日まで)
入館料無料(時間によってガイドによる説明あり)
ボランティアによるガイド:毎週木、金、土曜日及び祝日 ①11:00 ②14:00 各40~50分予約不要

東京都目黒区駒場4-3-55(東大駒場キャンパスそば)
・京王井の頭線 駒場東大前 西口より徒歩12分
・小田急線 東北沢駅か代々木上原駅より 徒歩

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