2015/10/16

オープン・ハウス・ロンドン 2015 ⑨Admiralty House

国際開発省(DFID)の隣にあるこの場所も
昨年は長蛇の列でした。

バッグは持って見学できたけど(その前にチェックはありました)
カメラはまたもやNG!

そうですよね、
内閣府の所有ですもん・・。


1875年に完成したGradeⅠの建物
隣と同様、かつては海軍本部の建物でした

いただいた資料の写真を拝借…
各部屋の説明です。

(写真上)玄関ホール 左側には大きなストーブ
(写真下)応接間

下の部屋には入っていません

それぞれの部屋のインテリアや用途について、
どういう機関がこの建物を使っていたか等が書いてあります。
(これを訳すと膨大な量になりますので省略)
1786年~1964年の間は海軍卿(海軍大臣)の住まいだった他、
首相官邸修復中の際の仮住まいや、
短期間外務機関が入っていたりしたそうです。

数部屋しか見学できなかったので
これまたあっさり終了~!
でも、予定より早く進んでいるので行きたいところ全て回れそうです。



おまけレポートですが、
昨年見学したThe British Academyの前を通りました。
この建物、ベネディクト・カンバーバッチ主演の
「シャーロック」でシャーロックの兄、マイクロフトがメンバーである
紳士の社交クラブのロケ地になったところです。
昨年は外壁塗装中のため足場が組まれていて見えなかったので
今年あらためて撮影。
中はとても豪華なので見てみてくださいね。(^^)

1960~70年代のシトロエン DS パラス(今春2015年版を発表)
赤い車が向かい合うように停まっている
ヨーロッパではよく見る駐車光景

オープン・ハウス・ロンドン 2015 ⑧22 Whitehall (formerly 26 Whitehall)

ウエストミンスター寺院から
トラファルガースクエアに抜ける道、
ホワイトホールには
首相官邸を含め、政府系のオフィスが連なっています。

昨年長蛇の列におののいて見送ったここ。
今年はオープン前に並ぶことにしました。
22 Whitehallにある元イギリス海軍本部委員会のビル。

22 Whitehall
目立たない入口(画面中央より右側)
左側の低い建物は国防省

海軍本部だったのは1725年~20世紀初めまでで、
現在は国際開発省(DFID)のオフィスです。
1725年完成。GradeⅠ。
隣の内閣府と一連の建物だと思うんですが、
オフィスは区切られています。ちょっとややこしい・・。
(内閣府は次回のブログにて)

並んでみて、なぜ昨年長蛇の列だったのかわかりました!
それは単純に、一度に15人ずつしか入れないから~。
手荷物はすべて入口で預け番号札を受け取り
手ぶらで見学しなければならないほど厳重。
もちろんカメラもNG!

建物の外観は古いんですが、内装は機能重視で
見学した範囲ではほとんどモダン化されていていました。
とにかく警備が厳重で角々に警備員が立っていて、
でも、案内してくれた職員の人はTシャツ&ジーンズ!
きっと普段はスーツなんでしょうけど。
それにしてもカジュアルすぎないか?

通されたのは元海軍の会議室。
白くて高い装飾的な天井。
植物や動物、紋章の彫刻の掘られた木壁には
若い頃海軍に勤務していたウィリアム4世や
ネルソン提督の肖像が掛けられ、
18世紀初期の大きなテーブルにアンティークチェアが
整然と並べられていました。

1Fへ降り、質素な8畳分ほどの部屋に行きました。
職員の人が「ここは見るところがあまりないんですが、
実はネルソン提督の遺体が安置されたところです」
と教えてくれました。

先程から何度も出てきているネルソン提督。
彼はアメリカ独立戦争、ナポレオン戦争などで活躍した
イギリス海軍提督です。
1805年にトラファルガー海戦で戦死した提督は
テムズ川を上り、ここで安置されたのち
国の英雄として国葬されセントポール大聖堂で眠っています。
トラファルガー広場(ナショナルギャラリー前)に
巨大なネルソン提督の記念柱が残っています。
ロンドンに来たら必ず一度は通るところですね。

もう210年も前の出来事ですが、この部屋を見たとき
タイムスリップした気分になりました。

パカパカと蹄の音を響かせて騎馬警官が通過
ツーリスト注目の的

向かいのビルは建てられた時代が違うビルが連なっています

見学時間はおよそ20分。
余り見るところがなかったです。
でも遅い時間に行くと長蛇の列なので要注意。



2015/10/14

オープン・ハウス・ロンドン 2015 ⑦The Roof Gardens

オープン・ハウス2日目。
今日も早起きです。

ほとんどの建物は10時オープンなんですが、
珍しく8~11時までだったので
一番に行きました。

地下鉄High Street Kensington駅を出てすぐ右にある
デパート、マークス&スペンサーのビル屋上に
こんなステキなガーデンがあるんです!!
The Roof Gardens。
屋上全体がガーデンでレストラン、バーが併設。
広さは6070㎡(およそ1839坪)

ビルの屋上とは感じられないほどリアル!
空中庭園、と呼んでいいと思います

鳥のさえずりが聞こえる都会のオアシス

上も何かありそう

ホンモノ!フラミンゴ
ほとんど頭が出てきませんでした
 ほんとに屋上なんです・・・

テムズ川南側のバタシーパークエリア(再開発中)

い~天気♪

このガーデンができたのは77年前の1933年。
そしてGradeⅡに登録されたのが1986年。
数年前にTVで観て知っていたんですが、
いつも時間がなくて行けなかったところでした。
オープン・ハウスのイベントのために
営業時間前の数時間だけ一般開放されていて
多くの早起きさんたちが散歩に来てました。
(年配者が多かったです)

広いスペースではBBQもしていて、結婚式などの各種パーティー貸切OK


秋の色に染まっています



変わった色の実


熟成度によって色が違うのかな


草花も素敵なんですが、
私が心惹かれるのは・・

スタッフ専用の喫煙スペースへのゲート

裏方のゲート
ガーデニング用品がいろいろ収納されていた

裏方のドア

違う素材を組み合わせた庭の床
濡れていると色が際立ちます


スパニッシュガーデンのゲート
イスラムの影響を受けたと思われるデザイン
赤い壁に映る影もステキ

木、石、レンガ、鉄などの
「素材」なんです。
さりげないけど、見せ方がウマい!
なんていうか・・荒いというか雑というか(いい意味で)
雰囲気が出ているんです。

日本で再現しようと思っても
どうしてもきれいに仕上がってしまうんですよね。
日本の職人さんたちはきれいに仕上げる、
ということが身についているので
自然っぽくして(雑にして)ほしい、と頼んでも
理解してもらえないのでそれはそれで仕方ないんですけど。

そして、こちらはスパニッシュガーデン。

英ヴァージン・グループのフラッグがはためいてます
1980年代にグループの会長、リチャード・ブランソン氏がここを購入
奥に見えるのは通りの向かいにあるセント・メアリー・アボット教会の尖塔
ロンドン一の高さだそうです
右手はイギリスの新聞社インディペンデント紙の本社屋

ここはもはやスペインの宮殿庭園(行ったことないけど想像で)

でもイギリスなんです
(ユニオンジャック)


イギリスにはない鮮やかな彩りが気分を明るくしてくれます


モロッコ風のエキゾチックなスペース。
この雰囲気なら絶対夜がいいですね~。

ゆっくり横になりたい

奥には小さな噴水

上階はレストラン、Babylon。
全面ガラス張りのモダンなインテリア


ベランダは人工芝

コンクリートを人工芝で覆うことによって
下階のガーデンと一体化させてます

モ~
きゃーカワイ~

次の予定があったのでゆっくりできませんでしたが、
スコーンや紅茶など軽食サービスがありました。

次回はここでディナーしようかな。


The Roof Gardens and Babylon
99 Kensington High St, London W8 5SA


2015/10/11

オープン・ハウス・ロンドン 2015 ⑥Reform Club

イギリスの高級社交クラブ、って聞いたことありますか?
ゆっくり本を読んだり、食事をしたり、
会員同士で話し合いがあったり、
時には宿泊施設も備えているクラブのことです。

バッキンガム宮殿から伸びる大きな通り、
ザ・マルの北側周辺には
そのようなクラブがたくさんあります。
外から中をうかがい知ることはできない
会員制のクラブ!
イギリス映画でスーツ姿の男性が新聞を読んでる
シーンとかありますよね。
英語ではGentlemen's Clubと言います。

今回オープン・ハウスで
そのうちの一軒を見学することができました!
申し込みフォームをメールで送ってもらって
氏名、連絡先、希望日時を返信し
希望が合えば返事が来る、という流れ。
いくつか応募したんですが、ほとんどが早い者勝ちのようで
既に募集終了~。
当選したのはここ「リフォーム・クラブ」。
名門クラブが立ち並ぶポール・モール通りにあります。

通りより階段を数段上がったところに
大きな扉がそびえていて入り難さ100%!
名前が「リフォーム」でも、
何かを直してくれるところじゃないので勘違いしないでくださいね。

威圧感のあるドア
ドア横の壁に真鍮の大きな筒が取り付けてあり、聞くと
ライターだそうです。(写真なくてすみません)
バッキンガム宮殿にも同じものがあるそうです。(ここと宮殿の2箇所だけ)
残念なことに、事前の通達に
「撮影禁止、お手洗いの使用も禁止です」
 とあって内部の写真はないんです。(涙)

でも、映画の撮影で使われたことがあって、
2002年の「007/ダイ・アナザー・デイ」や
2008年の「シャーロック・ホームズ」に出ています!
ちょっとググったら写真も出てくるし・・
興味ある方は調べてみてください。(^^)

建物は1841年完成のイタリアン・ルネッサンススタイル。
クラブはホイッグ党の政治家たちを中心に1836年に設立されました。
そして後に自由党の本部に発展、現在は政治家だけでなく、
幅広いバックグラウンドの人々を受け入れています。

過去のメンバーには国会議員、ハーバート・アスキス元首相、
ウィンストン・チャーチル元首相、
「シャーロック・ホームズ」の作家コナン・ドイル、
英ドラマ「ケンブリッジ・スパイ」で実在した冷戦時代のスパイ、ガイ・バージェスがいます。
男性の社交クラブでしたが1981年に女性も入会できるようになり
(特に反対する人がいなかったので)
チャールズ皇太子の奥様カミラ夫人もメンバーです。
でも、イギリスでは現在でも男性だけのクラブがいくつか残っています。

グリーンの大きなドアを入ると体格のいい男性スタッフが
「荷物をお預かりします。撮影は禁止です。」
と言ってバッグをやんわり没収~。
通常、男性はスーツ&ネクタイじゃないと
どんなに地位のある人でも入れてもらえません。
見学者もそうだと思って小綺麗な服装で行ったのに、
何人かジーンズ+スニーカー姿の年配者がいました。
今日は特別ですね。

館内は15人ずつのグループ見学で
クラブメンバーの男性が案内してくれました。
「知っている限りの知識ですが」と控えめな前置きがあったにも関わらず、
その知識はかなり豊富!(もちろん資料なしでの説明)
しまった!メモしたいけどメモ帳はさっき預けたバックの中だ~!!
どこまで記憶できるか。不安の中で見学スタート。
(以下はほぼ記憶で語ってます)

クラブの概要が書いてある冊子を購入
現在も2F吹き抜けはこんな感じ(あれ、女性がいる)
数年前この天井が雨漏りしたために、インテリアや本が濡れて修復が大変だったそうです

まず見学者は図書室のような「モーニングルーム」に通されました。
家具はリプロダクションと言っていましたが、
それでも結構年数が経ったような使用感あり。
高い天井、壁に備え付けの本棚には古そうな本がぎっしり。
大きなソファー席で新聞を読んだり、
手紙を書いたり思い思いの時間を過ごせます。

2Fへ上がる階段正面には大きなミラー。
以前はステンドグラスが入っていたそうですが、
照明を反射させて部屋を明るくするため、ミラーに取り替えたそうです。
ロングギャラリーのような大きな図書館、会議室、カードルーム、ビリヤードルームなど
それぞれの目的のに合わせた部屋を案内されました。
吹き抜けを囲むようにある幅広い廊下(上のイラスト)には
テーブルやソファーがあるのでお茶もできます。
1Fにも軽食や食事をする部屋があり気分に応じて変えられそうです。

最後に1Fのコーヒールーム、
そのには限られたメンバーだけが知る秘密の部屋!
大きなテーブルに椅子が10脚ほどの狭い空間。
昔、そこでは閣僚メンバーが入って極秘会議をしていたそうです。ひゃ~。

気になる入会金ですが、
案内してくれた男性が入会した当時は3万円位だったそうですが
(何十年も前だと思います)現在は30万円程だそうです。
私の予想ほど高くはありませんでしたが、
入会の際は厳しい審査があると思います。
興味ある方は問合わせてみてください。

オープンハウス1日目はこれで終了~。
結構歩きました。
万歩計がなかったけど、多分2万歩くらいいったかな。

オープン・ハウス・ロンドン 2015 ⑤Fitzrovia Chapel

長い修復作業を経て
今回初めて一般公開された
Fitzrovia Chapel(フィッツロヴィア・チャペル)
Grade Ⅱの建物です。

住所を頼りにチャペルを探したんですが
なかなか見つからなくて・・

入口を探してキョロキョロしてる人が多かった

以前はミドルセックス病院の付属チャペルで
現在は再開発で建てられたFizrovia Placeの中にあります。
ビルに囲まれていたからどこかわからなかったんです。

チャペルはウエストミンスター寺院や
隣の聖マーガレット教会、
ブリストル大聖堂の建築に関わった
ビクトリア時代の教会建築家、
ジョン・ラフブラ・ピアスンが1891年に設計し
息子フランクが1929年に完成させました。

再開発中のすごい写真!
 
ぽつんと建つ、とはこのことです
写真右側は壁だけ残してある~!
チャペルは病院関係者や患者、その家族たちが
静かに考えたり、祈ったりする場所でした
ゴシックスタイルのチャペル
人がいっぱい!

祭壇上のステンドグラスとゴールドの天井タイル

祭壇


修復費用は200万ポンド。
日本円で4億円です!
大理石は17種類も使っています。

天井ばかり見てしまいがちですが、
床の大理石モザイクの細工も素晴らしいです。





壁面の大理石も木目のような柄・・
ため息が出ます。

チャペルの幅はそんなにないんです

背後のオルガンギャラリー
正面のグリーンの石はアイリッシュ・ドッグという大理石


木目のような大理石
こんなの初めて見ました!

聖水盤

総大理石造り、といっても過言じゃないです

チャペル隣りはレストラン。
お客さんと目が合う・・

ガラス張りになっています
おしゃれなレストラン

チャペルは今後、室内楽、講話、
結婚式などで借りることができるそうです。